仕事において『目的』を見失ってませんか?【仕事の姿勢】

目的と手段、一緒にしてませんか?

『売上1億円を目指したい!』『年収2000万円までいきたい!!』

歩合の仕事や、自営業をしているとこういう話は多いです。ですが、一番大事なのは、どうしてそうなる必要があるのか?を考えることです。

今日はそんなお話をしていきます。

『目標』という手段に取り憑かれた営業時代

私が銀行員や保険の営業をしていた時、常に『目標』という手段に追いかけられていました。営業課長からは、成績をあげないやつは、給料泥棒だと言われ続け、辛い日々を送っていたように思います。

当時上司にはこう言われていました。

『成績を上げることが全てで、金を稼ぐやつが評価されるんだ。それにお金があれば、お前も幸せだろう?!』

確かに、会社が存続できるのはお金を稼いでいるからで、お金があるから従業員の雇用も守られているわけです。会社にとって売上を上げることは最上位の目標だと思えます。

ですが、上司にこうも言われました。

『売り方に正しさを問うな。お前が損をするわけじゃないんだから、客の金を刈り取ってこい!』

『手数料の高い商品を売ってこい。老人の話を聞いてあげているカウンセリング料と思えばいい。』

私にとっては、納得のいかない気持ちでした。顧客の困りごとを解決するのが商売の基本のはずなのに、売上を上げることが至上主義になってしまう。人として、仕事人としてのあり方よりも、やり方ばかりが優先されるのはおかしいと思います。

また少し話は脱線してしまいますが、教育学部の大学生時代、工藤勇一先生という方の講義を聞いたことがありました。その先生が書いた書籍『学校の当たり前をやめた。』では最上位の目標を設定することが大切で、目的と手段を取り違えてはならないと言われていました。

社会を知らなかった大学生当時の私は、学校という狭い社会ではこういったことがあるんだなと思いながら、一般企業においては、目的や手段を明確にしているのだろうとなんとなく思っていました。

しかし、意外にどの環境においても、日々の目標に追われてしまって「なんのために?」を考える機会は失われていっていると社会人になって気づきました。

なぜ今の仕事を続けるのか?

あなたはなぜ今の仕事を志したのですか?と聞かれれば、皆様はなんと答えるでしょうか?

私が金融の仕事をするのは、金融が好きだからというよりは『あらゆる業種に興味が持てる自分が、金融に向いているから』というのが正しいと思います。

はっきり言って私は飽きっぽいです。同じことをやり続けるより、色んなことを知りたい!と思ってしまいます。

ですが、なんでも興味を持って取り組めるという意味で金融の仕事は向いているとも言えます。企業の財務状況でも業種によって見方は大きく異なりますし、個人においても色んな業種・性格の方と関わりを持てます。

金融が好きだからと言うよりは、「家計全体の最適化、企業であれば会計の最適化が得意で、かつ色んな価値観を受け止めるのが得意」だから金融をやっているといったところでしょうか。

この特性を活かして、金融を通して人の役に立ち続ける!というのが私の仕事の目的と言えるでしょう。

目的と目標について

目的と目標は明確に異なります。

先ほど私が言った金融を通して人の役に立ち続ける!というのは目的です。

では目標とはなんでしょうか?

目標とは、目的を達成するために設けた目当て・指標になります。つまり目標とは目的を達成する一つの手段でしかないのです。

ここを一緒にしてしまうと、迷った時の判断に困ることになります。

事業の多角化に失敗してしまう理由がここにある

銀行員の時代の話ですが、担当している業績好調の会社が、急に業績悪化になることがあります。例えば、簡単に利益が上がると勧められたフランチャイズの経営や手間がかからないと勧められた倉庫業などがよくあるパターンです。

新しい事業に手をつけた社長が言うのは「年間売上が5千万くらいまであげられそうだった。」「再現性があると思った。」です。

これには、数字の目標はあっても「なぜその事業がやりたいか」という目的が抜けてしまっているのです。こうなると熱意が挙げられなかったり、お金儲けだけに走ってしまいがちで本当に大事なことを忘れてしまうことになります。

まずは目的を考える

迷った時にいつでも帰って来れるように「なぜこの仕事がしたいのか?」をまず決めておきましょう。

それこそが基本理念へと繋がっていき、決断をする時に間違うことが少なくなります。

書籍『ビジョナリーカンパニー ー時代を越える生存の原則ー』には以下のように記載されています。

基本理念 = 基本的価値観 + 目的

基本的価値観とは組織によって不可欠で普遍の主義で、文化や経営手法、目先の事情や利益と混同してはならないものです。

また目的とは単なるカネ儲けを超えた会社の根本的な存在理由で個々の目標や事業戦略と混同してはならないものです。

大きな法人であることや、小さな個人事業主であること、会社員であることは関係ないと思っています。自分がなぜ働くのかについて一度立ち止まって考えてみるとより仕事で飛躍できるはずです。リンクを貼っておきますので気になる方はぜひ読んでみてくださいね。

『ビジョナリーカンパニー ー時代を越える生存の原則ー』amazon→https://amzn.to/3XjKend


また仕事の目的について「家族との時間を大切にしたいから」「お金を稼ぎたいから」という理由も間違いではありません。ですが、そうなると仕事はなんでも良くて、とにかく時間が作れて、手っ取り早くお金を稼げる仕事を探すことになります。これでは、仕事にプライドも持ちにくいですし、継続することが辛くなってくるでしょう。

仕事の本質は『顧客の困りごとを解決すること、顧客を喜ばせること』になります。

ここを基準に自分の仕事の目的を明確にしておくことをお勧めします。

人を喜ばせることができる仕事で、かつ自分が得意と思える仕事をするようにしましょう!そうすればどんな人間でも続けることができるようになるはず!そしてそれが自分の満足度にも繋がると信じています。面倒なことではありますがお時間があれば一度見つめ直してみるのも良いかもしれません。

参考図書 『学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―』

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この記事を書いた人

元銀行員。現ファイナンシャルプランナーです。
金融について思ったことを書いてます。

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