銀行員時代、修羅場の窓口
銀行員の時に窓口で大喧嘩する夫婦に出会ったことがあります。原因は住宅のペアローンでした。今日は実際にあった怖いペアローンの話をしていきたいと思います。
ペアローンの仕組み
ペアローンは夫婦両方が契約者となる住宅ローンの契約方式です。例えば5000万円の家を購入するとして夫と妻で2500万円ずつローンを組むケースを考えましょう。
夫の年収が400万円、妻の年収が400万円とした場合、夫1人名義では、5000万円のローンは審査が通らない可能性があります。いわゆる『返済比率』がオーバーしているためです。
だけど2500万円ずつであれば、夫の年収と妻の年収の両方で返済比率が計算されるため、ローンが通りやすくなるのです。これは大きなメリットと言えます。おそらく銀行に訪れた夫婦も、このメリットを考えてペアローンで契約したのでしょう。
“離婚”というリスク
今回の夫婦で大きな誤算があったのは離婚でした。お2人の性格の不一致により、離婚に至ったとのことです。この場合。どうなるのでしょうか。
離婚するので同棲は無くなりました。ということは、どちらかが自宅を出て行かねばなりません。今回は夫が出ていくことになりました。しかし夫からすれば納得がいきません。
『どうして住まない家のローンを払わなくてはいけないんだ!全額妻の名義に変えてくれ!』
窓口で夫が叫んでいました。しかし、先ほど申し上げた通り、1人ではローンの審査が通らないから2人でローンを組んだわけです。多少残高が減っていたとしても、全額奥様に借り換えるのは審査が通りませんでした。
こうなると夫は住まない家の家賃を払わざるを得ません。加えて、お子様がいる場合は養育費の問題もあります。
ペアローンをするときは覚悟が必要
私はペアローンをする場合は、絶対に離婚しないという覚悟が必要だと思います。ただし、現代は3組に1組が離婚する時代です。絶対はありません。また離婚することを考えて結婚する人もいません。
自宅は一番大きい買い物ですが、安易にペアローンはやめましょう。そもそも背伸びをした住宅ローンはお勧めしません。結婚して子どもができて、時短勤務になったら?子どものことで大変でどちらかが仕事を辞めたら?
人生にはいろんなことが起きます。万が一のためにも無理してローンはやめましょう。大事なことなので2回強調しておきます。
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