Dr.stoneからトリリオンゲームへ
最近注目されているアニメとして、トリリオンゲームは外せないと思います。一見ぶっ飛んでいるベンチャー企業のようだが、主人公格のハルの行動力と発想力はいかにもベンチャー企業の社長のよう。。私も法人営業をして5年以上になりますが、いるなぁこう言う人。と言う感じです。笑
ただ、トリリオンゲームというアニメ。アニメとしては面白いが、会社法などの説明があまりないのが残念。今回はアニメ第3話より桐姫の提案を例に取って話をしたいと思います。
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株式を51%欲しいという要求
会社を経営しているのは代表取締役、いわゆる社長です。では経営権は誰にあるのか。それは株主です。
この国の財務省しかり、会社における株主しかり、一番偉いのはお金を出している人というわけです。
株主は会社に対して出資を行い、その配当を受け取ることができます。また株式の保有数によって権限が変わってきます。ここでは主な持ち株比率について説明します。
持ち株比率が1%であれば、株主総会の議案請求権があります。
持ち株比率が3%であれば、株主総会の招集請求権や会社帳簿の閲覧などが可能です。
持ち株比率が33.4%であれば、株主総会の特別決議を単独で否決でき、
持ち株比率が50%であれば、取締役の選任や、解任など会社の意思決定がほぼできるようになり、
持ち株比率が66.7%であれば、自己株式の取得に関する事項の決定や事業譲渡、合併などの権限も増えます。
ではなぜ桐姫は51%と言ったのか。
上記の通り、持ち株比率が50%あれば意思決定がほぼできるようになりますが、50%保有しただけでは、もう一人が50%を保有した場合、対等になってしまい、意思決定が決まらない可能性があります。
全て自分で決められるように51%を要求したということです。
桐姫は、なぜ66.7%を要求しないのか?
桐姫はこの時1億円の出資で、51%の要求でした。ここでふと思うのです。
なぜ1億円の出資で66.7%を要求しないのか!!!
相手は吹けば飛ぶような学生起業家です。対してドラゴンバンクの令嬢が出資する1億円。誤解のないようにお伝えしておくのですが、「出資」とは「貸付」とは異なります。仮に、主人公2人のハルとガクが、逃亡したらどうするのか!お金は一切返ってきませんし、ただの損で終わる可能性だってあります。51%ではリスクが大きすぎる。。
ならばせめて、事業譲渡ができるようにしておくべきです。勿体無い!つまり51%というのは破格の提案だと言えます。
それでも桐姫はなぜ51%にしたか。
それは、2人の経営者を高く評価していたということに間違いありません。
作中では、51%はひどいというような印象がありましたが、とんでもない。すごく2人のことが好きだということだ!と私は1人でツッコんでいました笑
余談
ちなみに仮に51%で買収が進んでいたとして、途中で桐姫が死亡した場合はどうなるのか。この株式は桐姫の親族が相続することになります。桐姫は独身ですから(多分)株は桐姫の親であるドラゴンバンクの社長に行くということです。
あれだけ嫌がらせをしてくる社長ですから、もうとんでもないことになるのは間違いないでしょう。
そういった点でも株式を買わせなかったハルの判断はトータルで見て正しかったといえますね。
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