生命保険のイメージはなぜ悪いのか【保険】

イメージの悪い保険業界

生命保険と言われて皆様はどんなイメージを持ちますか?生命保険の営業がしつこいとか、病気に関する不安を煽ってくるとかそういうイメージがあるかもしれません。ここではそういうイメージは一旦置いておいて、先に生命保険という商品について考えてみましょう。

そもそも生命保険とは?

生命保険とは死亡保障、3大疾病保障、医療介護保険など、一般的に病気や怪我、死亡時に支払われる保険のことを指します。厳密には第1分野保険、第3分野保険などというのですがここでは分かりやすく一緒にしておきます。

生命保険は3つの形があり、定期保険、養老保険、終身保険の3つです。

定期保険は文字通り、期間が定まっている保険で10年とか60歳など保険の期間が決まっています。また一部お金が貯まるものもありますが、基本的には掛け捨てと言ってお金は貯まりません。その代わりに保険料が安いので月々の支払いは安く済みます

養老保険は期間が決まっているのは定期保険と変わりませんが、お金が貯まります。満期を迎えると満期金が支払われます。基本的に死亡保障の額と同じ額が満期金として支払われます。最近ではドル建てだったり、運用だったりで満期金が変動しているものも多いです。定期保険とは対照的に保険料は高くなります

終身保険は保障が終身でお金が貯まります。医療保険などは終身でもお金が貯まらないものが一部ありますが、死亡保障や3大疾病一時金終身保険などはお金が貯まります。保険料はこちらも定期保険よりは高いです。

生命保険の基本はこういった形となっており、あとは死亡保障や医療保障をどの保険で備えるかとそれぞれ考えるだけです。複雑そうに見えて意外と単純といえます。

生命保険のイメージが悪い理由

ではなぜ生命保険はイメージが悪いのでしょうか?

死をイメージするから生命保険は嫌われるとか、ニードが潜在化しているからとか業界ではよく言われますし私も生命保険の仕事をしているときは先輩からよくそう教わってきました。ですが実際は営業マンの姿勢なのではないかと私は感じています。

生命保険の営業は歩合制だったり、ノルマが激しい業種でもあります。そのため手数料を高く取れる契約をどうすれば取れるかを考えてくる営業マンも残念ながらいるというのは否めません。例えば、掛け捨ての割合を高くすれば手数料は高くなりますし一時払い(一括で保険料を払うこと)をやめて月払いに誘導すればこれも手数料が高くなります。代理店などに行けば、初年度の手数料が年間保険料の90%近くになる保険も存在し、それを一件提案するだけで生活ができるという人もいるようです。銀行で勤めていた当時も多数一時払い保険を取り扱っていましたが、各社販売手数料を高くして、他社よりウチを売って欲しいと言われたこともあります。

規制が厳しくなる代理店界隈

このような姿勢は金融庁も目をつけており、代理店へのコンプライアンスを強化したり、外貨建て一時払い保険の評価を0点としていることもありますが、なかなか手数料販売が横行しており、営業マンの姿勢がよくないこともあります。このようなことがだんだんとバレてきて生命保険のイメージは悪くなっているのかも。。

ただし、全員がそういう人間ではないのも事実です。売れていないけど、しっかりとした根拠で提案してくれる人も私はたくさん知っていますし、合理的な保険を提案してくれる人もいます。大切なのは営業マンの話を鵜呑みにするのではなく皆様が最終納得してご契約いただくことだと思います。

何が正しいかは、自分で考える!

YouTubeや書籍を見ていると、掛け捨てが一番で、貯まるタイプの保険は良くないと言い切る方も多くいらっしゃいます。確かに今の時代選択肢が沢山あるので保険は掛け捨てで良いというのは間違いではありません。ですが言い切るのも違うと思うのです。お客様のライフプラン、収入、支出、子どもにしてあげたいこと、夢、やりたいことなどなど、人それぞれ価値観は異なります。大事なのはきちんと「聞いてくれる人」に相談することです。言い切る人ほど、実は根拠がなかったりするものです。

終わりに

話は変わりますがすでに亡くなられた芸人の上岡龍太郎さん曰く、「世の中というものは言い切れるものはさほど多くないんです。でも言い切られると安心してしまうのが人間です。デートに行きませんか?というよりもデートに行きましょう!と言い切る方が安心できる。私は行きたいと言っていないけどあの人が言ったからと言い訳ができる」というふうにおっしゃっていてこの人は本当に人間の本質を見ていらっしゃると思いました。

脱線してしまいましたが、まずは自分で考えること。話は聞いてもいいけど、きちんと自分将来も考えて提案に乗ることが大切です。こうして記事を書いていることでまた生命保険のイメージも良くなればいいななんて思っています。

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この記事を書いた人

元銀行員。現ファイナンシャルプランナーです。
金融について思ったことを書いてます。

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